映像関係者や映画監督への取材資料や制作現場の証言によると、芸人が見せる芝居の強みは「日常の違和感や人間の弱さを具現化する解像度の高さ」にあります。コント職人たちは日頃から、電車の乗客、職場の理不尽な上司、少し気まずい関係の知人など、街中の人間を極限まで観察してネタに昇華させています。この長年培われた観察眼が、役作りの土台として圧倒的な説得力を生み出しています。
さらに、劇場という一発勝負の空間で数千回にわたり観客の空気を感じ取ってきた経験が、「相手のセリフを聴いてから呼吸を合わせる」という即時的な芝居を可能にしています。美男美女の俳優では醸し出せない、市井の人々が抱える生々しい生活臭や悲哀、コンプレックスをさらけ出す演技において、芸人の右に出る存在はいません。