2008年初夏、日本中がひとつの映画の結末を見届けようと劇場へ足を運びました。累計興行収入77.5億円、観客動員数600万人超を記録した映画『花より男子F(ファイナル)』。そのエンディングを飾り、観客の涙腺を決壊させたのが嵐の『One Love』でした。当時、すでに社会現象となっていたTBS系ドラマ版の主題歌『WISH』『Love so sweet』に続くシリーズ完結編として、この楽曲には単なるタイアップの枠組みを超えた重責が課せられていました。
松本潤が演じた道明寺司と、井上真央演じる牧野つくし。格差や無数の障害を乗り越えたふたりの愛の成就は、まさに平成を象徴するシンデレラストーリーであり、そのラストを祝福するために書き下ろされたのが本作です。関係者の証言によると、制作陣は「永遠の愛を誓い、老若男女の誰もが一度聴いただけで口ずさめる究極のバラード」を目指し、コンペティションと推敲を重ねました。その結果、発売初週で31.4万枚を売り上げ、2008年のオリコン年間シングルランキングでは嵐の『truth / 風の向こうへ』に次ぐ年間2位を獲得。嵐が音楽チャートの1位・2位を独占するという、1989年のプリンセス プリンセス以来19年ぶりの快挙を打ち立てる原動力となったのです。
公開当時の劇場の熱気について、当時現場を取材した音楽ライターはこう振り返ります。「エンドロールで『One Love』のイントロが流れた瞬間、劇場の空気が一変し、客席のあちこちからすすり泣きが漏れていた。スクリーンの中のふたりの物語と、観客それぞれの人生の記憶が音楽によって完全に接着された瞬間だった」。この圧倒的な成功体験こそが、本作を単なるヒット曲から国民的アンセムへと押し上げた揺るぎない原点です。