ボーボボに登場する「ボンタン」の元ネタや真相をご存知でしょうか。作中で繰り広げられる「ボンタン狩り」の描写は、一見すると澤井啓夫氏の突発的な狂気から生まれた不条理ネタに見えますが、その根底には昭和から平成初期にかけて社会現象となったヤンキー文化が存在します。
「ボンタン」とは、太もも部分が極端に太く裾が絞られた変形学生服(ズボン)の俗称です。きうちかずひろ氏による伝説的ヤンキー漫画『ビー・バップ・ハイスクール』などを通じて全国の中高生に広まり、当時、他校の不良を襲撃して変形学生服を力ずくで脱がせて奪い取る「ボンタン狩り」と呼ばれる恐喝・略奪行為が全国の繁華街で社会問題化しました。
『ボボボーボ・ボーボボ』の根幹を成す世界観「西暦300X年、マルハーゲ帝国が人類を丸坊主にすべく結成した『毛狩り隊(マルハーゲ同盟)』」という設定そのものが、この「ボンタン狩り」という昭和の不良用語を「頭髪」へとスライドさせた言葉遊び・パロディが出発点となっています。本来ならば「人々の髪の毛を理不尽に刈り取る恐怖の軍団」であるはずの毛狩り隊が、作中で原点返りするように「おい!あいつのボンタンを狩るぞ!」と本来のヤンキー行為に逆戻りする構造こそが、読者の意表を突く決定的な笑いのトリガーとなっていました。