映画が警告したようなディストピアを現実のものにしないために、いま私たち個人ができる自衛策とは何だろうか。現場の専門家たちが口を揃えるのは、「多重のセーフティネット」を自分自身で張り巡らせることの重要性だ。公的な相談窓口である地域包括支援センターとの早期の接点づくりはもちろん、趣味のサークルや近隣の顔なじみなど、行政に依存しすぎない緩やかな人間関係を維持することが決定打となる。
経済面においても、小さな仕事を長く続けられる体力を維持しつつ、住まいに関する公的支援やリバースモーゲージなどの選択肢を早めにリサーチしておく姿勢が求められる。「他人に弱みを見せない」という美徳を脱ぎ捨て、困ったときにためらわずにSOSを発信できる力こそが、長い老後を生き抜く最大の武器となる。