愛知県の行政地図を読み解く第一歩は、全54市町村(38市・14町・2村)の大枠を頭に入れることです。平成の大合併を経て整理されたこの自治体群は、歴史的・文化的に大きく「尾張地方」と「三河地方」の2つに大別され、さらに細かくは尾張(名古屋・尾張・海部・知多)、西三河、東三河の地域区分で語られます。
県内の行政地図を概観する際、基準となる愛知県市町村一覧の地域区分は以下の通りに整理されています。
- 尾張地域(名古屋・尾張・海部・知多):名古屋市(16行政区)、一宮市、瀬戸市、春日井市、犬山市、江南市、小牧市、稲沢市、尾張旭市、岩倉市、豊明市、日進市、清須市、北名古屋市、長久手市、東郷町、豊山町、大治町、蟹江町、飛島村、津島市、愛西市、弥富市、あま市、半田市、常滑市、東海市、大府市、知多市、阿久比町、東浦町、南知多町、美浜町、武豊町
- 西三河地域:岡崎市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、知立市、高浜市、みよし市、幸田町
- 東三河地域:豊橋市、豊川市、蒲郡市、新城市、田原市、設楽町、東栄町、豊根村
地図上で特に注目すべきは、愛知県のほぼ中央を南北に流れる「境川」です。古来より尾張国と三河国の国境として機能してきたこの河川は、現代の尾張三河境界を視覚的に決定づけるランドマークとなっています。境川の西側に位置する大府市や豊明市までは尾張ナンバー(あるいは名古屋ナンバー管轄)、橋を渡って東側の刈谷市や知立市に入ると三河ナンバーエリアへと切り替わります。車社会である愛知県において、この境界線は住民の心理的・生活圏的な境界線として今なお強烈に機能しています。
近年では、オープンデータ化が進む「マップあいち」などの自治体GISにより、AED設置場所や土砂災害警戒区域、あいち消防団応援の店に至るまでレイヤーごとの地図確認が容易になりました。一般的なYahoo!マップやGoogle Mapsなどの民生用アプリが商業施設やナビゲーションに優れる一方、公的な境界確定や防災マップの確認には、県が提供する最新の地理空間情報基盤が不可欠な役割を果たしています。