共通テストの自己採点直後、受験生向け掲示板やSNS、知恵袋には、悲痛な叫びと葛藤に満ちた投稿が溢れかえります。取材を通じて見えてきたのは、ボーダーライン前後に立たされた受験生たちの生々しい心理劇です。
「共通テストリサーチで文科一類がD判定。足切り予想点数まであと10点足りないかもしれないという状況で、毎晩悪夢を見ました。足切りを食らったら、これまでの努力をぶつける試験会場にすら入れない。結局、親や予備校の担任と激論になり、出願先を別の国立大学に変えざるを得ませんでした」(大手予備校に通っていた元浪人生の証言)
一方で、インターネット上には「足切りギリギリの点数から2次試験で奇跡の逆転合格を果たした」という武勇伝が定期的にバズを生み出します。ネット上の合格体験記に背中を押され、「東大足切り突破の最低点さえクリアできれば自分も逆転できるはずだ」と博打に近い出願を敢行する受験生も少なくありません。
しかし、大手進学塾の進路指導責任者が語る現実はもっとシビアです。いわく、「ギリギリで足切りを突破して2次で逆転する受験生は、東大実戦模試や東大オープンで文句なしの冊子掲載レベルの記述力を持っていながら、マーク式の共通テストだけ時間配分をミスした特異な層に限られます。単に基礎学力不足で共通テストが取れなかった層が突撃した場合、討ち死にする確率は9割を超えます」というのが現場の一致した見解です。