1960年代、日本中を巻き込んだ「サユリスト」という一大ブーム。男性ファンを中心に広まった熱狂は、従来の単なるアイドル人気とは一線を画していた。ブロマイドを大切に懐へ忍ばせ、新作の公開日には劇場前へ長蛇の列を作った人々の情熱。それは終戦後の復興期における、ひとつの文化的象徴でもあった。
ラジオドラマ『赤胴鈴之助』で注目を集め、日活の看板女優へと一気に上り詰めたスピード感は語り草だ。多忙を極める撮影の合間を縫い、大学進学を果たした学業との両立。その努力と真摯な姿勢こそが、全国の若者にとっての希望となったのだ。