熱がない場合、最も悩ましいのが「明日から保育園や学校に行かせてよいのか」という問題です。学校保健安全法および厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」において、手足口病は「医師の判断に基づき、本人の全身状態が良ければ登校・登園可能」な疾患に分類されています。
インフルエンザのように「発熱後〇日間は出席停止」といった一律の法律的出席停止期間は設けられていません。これは、手足口病の原因ウイルスが急性期を過ぎた後も、呼吸器(飛沫)から約1〜2週間、便中からは約2〜4週間にわたって長期排出され続けるため、発疹が消えるまで完全に隔離することが現実的ではないからです。
公的な登園目安は「発熱がなく、口内炎の痛みが落ち着き、通常の食事が無理なく摂れること」です。発疹が皮膚に残っていても、全身状態が良好であれば医学的には登園可能です。
ただし、現場の保育園や自治体ごとに運用が異なる点には注意が必要です。医師が記入する「登園許可証(治癒証明書)」を求める園もあれば、保護者が記入する「登園届」のみで足りる園もあります。無用なトラブルを防ぐためにも、受診時に医師へ園生活が可能か確認したうえで、所属する保育施設へ規定を確認することが確実です。