映画のクライマックス、東京地方裁判所の法廷で言い渡された主文は、主人公・金子徹平(加瀬亮)に対する「懲役3ヶ月、執行猶予3年」の有罪判決でした。
徹平は就職活動の面接に向かう満員電車の中で、女子中学生から痴漢として腕を掴まれ現行犯逮捕されます。「やっていない」と叫び続けたものの、警察や検察は自白を強要。罰金数万円を支払う略式起訴を受け入れれば即日釈放されるという取引を拒否し、無実を証明するために正式裁判で闘う道を選びました。
ベテラン弁護士の荒川(役所広司)や新米弁護士の須藤(瀬戸朝香)、母や友人の献身的なサポートを受け、犯行時刻に手が届かない位置にあった証拠や目撃者の証言を積み上げます。しかし、下された結末は無情な有罪でした。
法廷を出た後、徹平のモノローグが静かに響くラストシーンは映画史に残る名場面です。「裁判所は真実を明らかにする場所ではない。裁判所は被告人が有罪か無罪かを、集められた証拠によって判断する場所にすぎない」と悟りながらも、彼は諦めることなく東京高等裁判所への控訴を誓い、まっすぐ前を見据えて歩き出します。