境内の散策と並んで外せないのが、食事処「五観堂(ごかんどう)」で供される「神勝寺うどん」です。臨済宗の修行道場で僧侶(雲水)が日常的に食している作法をそのまま体験できる精進料理であり、一般的な飲食店とは一線を画す厳粛でユニークな食事体験が提供されています。
配膳されるのは、大小3つの持鉢(じはつ)と、通常の倍近い太さを持つ長大な「雲水箸(うんすいばし)」。この特大の箸は、修行僧が食事の際に音を立てず、手元を美しく見せるために用いられる伝統的な道具です。提供される極太の平打ちうどんは驚くほどコシが強く、澄んだ昆布と椎茸の精進出汁によく絡みます。
食事の締めくくりには、禅宗特有の清道(せいどう)の作法を実践します。器に残った最後の一口分の出汁と一切れのたくあんを使い、器の内側をぬぐって綺麗に飲み干した後、お湯を注いで三つの器を重ねて片付けます。食事をいただくこと自体を修行の一環とする「五観の偈(ごかんのげ)」の精神を体感できるこのシステムは、来訪者から「食べることへの感謝の念が自然と湧き上がった」「背筋が伸びる思いがした」と絶賛を集めています。
ランチの営業時間は通常11:00〜14:30(ラストオーダー14:00頃)となっており、土日祝日や秋の観光シーズンには早い段階で整理券が配布されたり、完売になったりすることもあるため、午前中の早めの時間帯に五観堂を訪れる計画が推奨されます。