今、観客が劇場に求めているのは単なる「物語の鑑賞」にとどまらない。「体験そのもの」だ。全国の主要シネコンで増設が進む最新鋭の音響システムや超高解像度プロジェクター、さらには視覚・聴覚・触覚を揺さぶる体感型アトラクション上映は、連日満席に近い稼働率を叩き出している。
音響設計の精度も数年前とは比較にならないほど進化を遂げた。座席から伝わる重低音の振動、頭上から立体的に降り注ぐサウンド、さらには場面に合わせた風や香りの演出。自宅のリビングルームでは逆立ちしても再現できない圧倒的なスケール感こそが、リピーターを呼び寄せる最大のフックとなっている。