輸入豚肉といえば「パサつく」「独特の獣臭(ケモノ臭)が苦手」というイメージを持つ人も少なくありません。しかし、カナダ産豚肉を食べた多くの人が「国産と変わらない」「嫌な臭みがない」と口を揃えます。この風味の良さには明確な農学的理由が存在します。
最大の違いは、豚に与える「エサ(飼料の主原料)」にあります。
安価な輸入肉の多くはトウモロコシを主食として育てられますが、トウモロコシに含まれる不飽和脂肪酸は脂の融点を下げ、加熱時に独特の酸化臭(いわゆる輸入肉特有の臭み)を生みやすくなります。これに対し、カナダの主要な養豚地帯であるアルバータ州やマニトバ州などでは、冷涼な気候を活かして栽培された大麦や小麦などの「麦類」を豊富に配合した飼料を与えています。
麦類を食べて育った豚は、脂身が純白で硬く締まり、オレイン酸を多く含んだ上質な脂になります。その結果、加熱しても脂っこさが残らず、あっさりとした甘みとクセのないクリアな風味に仕上がるのです。