横田慎太郎さんを襲った病魔は、あまりにも過酷なものでした。2017年春季キャンプ中、突如激しい頭痛と視力低下に襲われ、精密検査の結果脳腫瘍と診断されます。当時21歳、金本知憲監督(当時)のもとでレギュラー定着が期待されていた矢先の悲劇でした。
約半年にわたる抗がん剤治療と放射線照射は、吐き気と全身の倦怠感に苛まれる極めて過酷なものでした。しかし、横田さんは一度も弱音を吐かず、「もう一度甲子園のグラウンドに立つ」という一念で治療に耐え抜きました。2017年秋に腫瘍は寛解し、阪神球団は育成契約を結んで彼の復帰を全力でバックアップしました。
しかし、視力障害の後遺症は完全に回復することはありませんでした。2019年に惜しまれつつ現役を引退した後、横田さんは講演活動や執筆活動を通じて、小児がん患者や同じ病気に苦しむ人々にエールを送り続けました。だが無情にも、病魔は再び彼を襲います。腫瘍が脊髄などに転移・再発し、2026年以降は再び厳しい入院闘病生活を余儀なくされました。
最期まで生きる希望を捨てず、家族や医療従事者への感謝を口にし続けた横田さんは、2026年7月18日、家族に見守られながら28歳で旅立ちました。死因は脳腫瘍の悪化によるものでした。短くも濃密に駆け抜けたその生涯は、多くの人々に「生きることの尊さ」を強く問いかけました。