財務省の頂点に君臨する財務事務次官。事務方トップの座を巡る争いは、常に省内の序列と将来の国家方針を決定づけてきた。その次官レースにおいて絶対的な本命ルートとされるのが主計局長からの昇格ルートだ。主計局は国家予算の査定を一手に担う「省内最強部局」。予算を握る者が省内を制し、他省庁を圧倒する構図は今も崩れていない。
一方で、国際金融の舞台で円相場防衛や多国間協調を指揮する財務官の存在感も際立つ。為替介入の実務責任者として市場と対峙する財務官には、国際派としての卓越した交渉力と英語力、さらに米財務省との強固なパイプが要求される。事務次官が国内の統治を司る「内政の司令塔」であるならば、財務官は世界市場の荒波から日本経済を守る「外交の盾」だ。この二大巨頭を軸に、主計局長が次期次官へのステップとして睨みを利かせる三頭体制こそが、現在の権力構造の根幹をなしている。