手足口病に対して抗生物質や抗ウイルス薬が処方されない理由は、原因となるウイルスが複数存在し、それらに直接作用する薬剤が開発されていないためです。感染の仕組みと完治までの経過を知ることで、落ち着いて看病にあたることができます。
主な感染経路と潜伏期間
感染経路は、咳やくしゃみによる飛沫感染、ウイルスが付着した手やタオルを介した接触感染、そして便に含まれるウイルスが口に入る糞口感染の3つです。潜伏期間は通常3〜5日程度とされています。
典型的な発症から回復までの経過
・発症1〜2日目:微熱〜38度前後の発熱(約3割の患者に発熱が見られる)とともに、口腔粘膜に小水疱が出現。手や足にも米粒大の発疹が現れ始める。
・発症3〜4日目:熱は解熱傾向へ向かうが、口内炎の痛みがピークに達し、固形物を食べにくくなる時期。
・発症5〜7日目:口の痛みが和らぎ、飲食がスムーズになる。手足の発疹は赤褐色になり、徐々に枯れていく。
・発症後1〜2週間:発疹の跡が薄くなり、色素沈着や皮むけを起こしながら完治へ向かう。
発疹が治った数週間から1〜2ヶ月後に、手足の爪が根元から浮き上がって剥がれる「爪甲脱落症」が起きることがありますが、これはウイルスの影響による一時的な現象であり、下から新しい爪が生えてくるため心配はいりません。