「底面のLEDランプがついているのにカーソルがまったく動かない」という現象は、無線マウスのトラブル相談で最も多く寄せられる相談の一つです。ランプが点灯していると、ユーザーは無意識に「通電しているから電池や電源の問題ではない」と思い込んでしまいます。しかし、ここに落とし穴が存在します。
LEDランプを点灯させるために必要な電圧と、微弱な高周波電波を発信し光学センサーで机の表面を連続スキャンするために必要な動作電圧には明確なギャップがあります。一般的なアルカリ乾電池の公称電圧は1.5Vですが、使用に伴い電圧が1.1V付近まで低下すると、インジケーター用LEDは光芒を保っていても、チップセットや通信モジュールは省電力シャットダウンを起こします。この「見かけ倒しの通電状態」こそが、ランプがつくのに動かない現象の代表的なメカニズムです。
さらに、OS側でマウスカーソルが消えた場合、ディスプレイドライバーのハングアップや、タブレットモードへの誤移行によってポインター描画そのものが抑制されているケースも珍しくありません。マウス本体が信号を送っていても、PC側が受け入れ体制を失っていれば画面上のカーソルは一切反応しなくなります。