生レバー提供の違法性と逮捕理由|合法な馬レバーと危険性の全真相

生レバー提供の違法性と逮捕理由|合法な馬レバーと危険性の全真相

生レバー提供の違法性と逮捕理由|合法な馬レバーと危険性の全真相にまつわる最新トピックを分かりやすく発信ます。

レバ刺し愛好家の間で根強く囁かれてきた言説に「朝引きの新鮮な肉なら生で食べても安全」「信頼できる精肉店から仕入れているから大丈夫」というものがあります。しかし、感染症医学および微生物学の観点から見れば、この認識は完全な誤謬です。

牛の腸管内に生息する腸管出血性大腸菌(O157など)は、わずか数十個から数百個という極めて微量の菌が体内に入るだけで発症します。屠畜の過程でどれほど衛生的に処理を行っても、牛の胆管や血流を介して肝臓の内部深くまで菌が侵入しているケースが約1割弱の割合で確認されています。肉の鮮度と菌の有無には何ら因果関係がなく、どれほど獲れたてであってもリスクを排除することは不可能です。

万が一生レバーを介して感染した場合、以下のような重篤な健康被害を引き起こします。

  • 腸管出血性大腸菌(O157・O111など):激しい腹痛と血便を伴う出血性大腸炎を発症。毒素(ベロ毒素)が血管に入ると、急性腎不全や血小板減少を引き起こす「溶血性尿毒症症候群(HUS)」や脳症を併発し、死に至る危険性があります。
  • E型肝炎ウイルス(HEV):主に豚レバーの生食によって感染。劇症肝炎に進行するリスクがあり、特に妊婦や高齢者が感染した場合の致死率は極めて高くなります。
  • カンピロバクター:主に鶏レバーや鶏刺しに潜む細菌。激しい下痢や高熱を引き起こすだけでなく、感染から数週間後に手足の麻痺や呼吸困難を招く自己免疫疾患「ギラン・バレー症候群」を発症するリスクが存在します。

病原体を死滅させる唯一確実な手段は、肉の中心部まで「63度で30分間以上」または「75度で1分間以上」の加熱処理を行うことです。表面だけを軽く炙る「タタキ」や「湯引き」程度では、内部の菌を殺菌することはできません。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。