ネット上のQ&AサイトやSNSでは、卒園式の服装に関して一部誤った情報や不十分な解釈が拡散されています。その最たる例が「ストッキングの色」と「コサージュの扱い」です。
ネット上の一部記事で「礼服には黒ストッキングが正式」と記述されていることがありますが、これは明確な誤りです。式典マナーにおいて、薄手・厚手を問わず黒ストッキングやブラックタイツは弔事(お葬式)を連想させるため、慶事である卒園式では原則NGとされています。正解は、自分の肌色に自然に馴染むプレーンな「ベージュのストッキング」です。どうしても防寒を優先したい場合は、外側が肌色に見える特殊なフェイクタイツ(着圧ストッキング)や、パンツスーツの下に見えないインナーソックスを重ねる手法が現場の知恵として推奨されます。
続いてコサージュの選び方です。スーツを華やかに見せるアイテムですが、「子どもを抱きしめる瞬間にピンや造花が子どもの顔に当たって怪我をさせそうになった」というトラブルが頻発しています。金具が露出していない安全ピンタイプを選ぶこと、生花や硬いプラスチック素材ではなく、柔らかいシルクやオーガンジー素材の小ぶりなデザインを選ぶことが不可欠です。取り付ける位置は、相手の視線を上に誘導して姿勢を美しく見せるため、「左胸の鎖骨あたり」のやや高い位置に留めるのがマナーの定石です。
最後に足元の靴選びです。登園時や保護者のお見送りで履く外靴用のパンプスは、ヒールの高さが3cm〜5cm程度の歩きやすい太めヒールが適しています。ピンヒールは園庭の土に刺さりやすく、園児と並んで歩く場面で危険を伴います。さらに重要なのが、式典会場内で履く「室内履き(上履き・スリッパ)」です。スーツに合わせてブラックや濃紺のフォーマルスリッパ(ヒール付き)を用意し、普段のキャラクターエプロン用の上履きをそのまま流用するような失態は絶対に避けなければなりません。