「ワンホン」は、中国語の「網紅(wǎng hóng / ワンホン)」をカタカナ表記した言葉です。「網絡(インターネット)」の「網」と、中国でヒットや人気を意味する「紅」が組み合わさった言葉で、直訳すると「ネット上で爆発的な人気を誇る有名人」、すなわちインフルエンサーを意味します。
中国のSNSプラットフォームである「小紅書(RED / REDBOOK)」、「Douyin(抖音 / 中国版TikTok)」、「Weibo(微博)」などで数十万から数千万人のフォロワーを抱えるクリエイターたちが発信するコンテンツが、アジア全域のトレンドセッターとして絶大な影響力を持っています。
マーケティング業界や現地ビジネスにおいて、ワンホンはしばしば「KOL(Key Opinion Leader)」や「KOC(Key Opinion Consumer)」と区別して議論されます。
- 網紅(ワンホン):圧倒的なビジュアル、ライフスタイルの魅力、キャラクター性を武器に熱狂的なファン層を惹きつける存在。ライブ配信での販売力(ライブコマース)に長け、エンターテインメント性に重きを置く。
- KOL(Key Opinion Leader):特定分野(コスメ成分、IT機器、医療、金融など)において専門的知識や信頼性を持ち、購買意思決定に論理的な影響を与える専門家インフルエンサー。
- KOC(Key Opinion Consumer):一般消費者に近い立ち位置で、リアルな使用感や本音レビューを発信するマイクロインフルエンサー。
中国商務部および現地調査機関のレポートによると、ワンホンを起用した中国のライブコマース市場規模は2026年時点で5兆元(約105兆円)を突破しており、1回の配信で数百億円相当の商品を売り切るトップワンホンも存在します。日本において「ワンホン」という単語は主にメイクやファッションのテイストを指す言葉として広まりましたが、その源流には世界最大規模のデジタルコマース経済が存在しています。