1994年4月、幼児教育番組『ひらけ!ポンキッキ』が大幅にリニューアルされ、よりファッショナブルでポップカルチャー色を強めた『ポンキッキーズ』へと進化を遂げました。そのメインキャストの目玉として抜擢されたのが、当時「安室奈美恵 with SUPER MONKEY'S」として活動していた安室奈美恵(当時16歳)と、モデル・タレントとして注目を集めていた鈴木蘭々でした。
二人が組んだユニットが、今なお伝説として語られる「シスターラビッツ」です。ピンク(鈴木蘭々)とブルー(安室奈美恵)の鮮やかなウサギの着ぐるみ衣装をまとい、大きな耳と丸い尻尾を揺らしながら画面狭しと踊る姿は、当時の子どもたちだけでなく、若者世代の間でも瞬く間に注目の的となりました。
一見コミカルなキャラクター衣装でありながら、彼女たちが披露するダンスは驚くほど本格的でした。沖縄アクターズスクール仕込みの圧倒的なリズム感とシャープな身のこなしは、従来の「着ぐるみアイドル」の概念を根底から覆すものだったのです。デビュー曲となった『一寸桃金太郎』は、日本の昔話の主人公たち(一寸法師、桃太郎、金太郎)をユーモラスにミックスした楽曲でありながら、ファンキーなビートに乗せてハイレベルなステップを刻むという、極めて前衛的なパフォーマンスでした。
当時のインタビューや関係者の証言によると、着ぐるみ自体は頭部が重く、視界も狭い過酷な環境でした。しかし、二人は弱音を吐くことなく現場のアイデアを貪欲に吸収し、スタジオの空気を一変させるプロ意識を見せていたと伝えられています。