依存症は大きく分けて、体内に化学物質を取り込む「物質依存」と、特定の行為そのものにのめり込む「行動嗜癖(プロセス依存)」の2つに分類される。一見全く異なる問題に見えるが、行動嗜癖と物質依存の違いは「刺激の入り口」が違うだけであり、最終的に脳の報酬系回路を麻痺させるという結末は驚くほど共通している。
特に近年深刻化しているのがデジタル領域における依存だ。スマホ依存におけるドーパミンの分泌は、SNSの「いいね」やショート動画の次々変わる画面によって巧妙に刺激されている。いつ新しい情報や承認が手に入るか予測できないという「不確実性」こそが、ドーパミンを最も激しく分泌させるトリガーなのだ。
この心理学的トラップは、ギャンブル依存症の脳の仕組みと全く同一である。スロットマシンや競馬において、「当たるか外れるか分からない瞬間」に脳内ではドーパミンが爆発的に放出される。脳は勝った瞬間の快感だけでなく、「勝つかもしれないという期待感のプロセス」そのものに中毒になってしまう。