『フルーツバスケット』を代表する屈指の名言、「雪が溶けたら、何になると思う?」。この問いかけに対する答えは、作品の持つ優しさと哀しさを極めてシンプルかつ象徴的に表している。
かつて佳菜が提示した「春になるんだよ」という言葉は、冷酷な過酷さに凍てついていたはとりの心を一瞬で包み込んだ。しかし、二人の関係は悲劇的な結末を迎える。後に本田透が全く同じ言葉を彼に向けたとき、はとりの胸に去来したのは過去の情景と、新たな救済の予感だった。冷たい雪はやがて温かな春の息吹へと変わる――この対比こそが、傷ついた魂を癒やす物語の真髄といえる。