本作のドラマ性を強烈に牽引しているのが、緻密に練られた登場人物(キャラクター)たちの存在です。誰一人として単純な善人・悪人では片付けられないリアリティが、読者の没入感を加速させています。
【主人公(教師)】
真面目で内向的、波風を立てずに生きてきた高校教師。時間停止能力を手に入れたことで内に秘めた支配欲と歪んだ正義感が肥大化し、徐々に倫理観を麻痺させていきます。彼の独白によって語られる心理描写は、読者に強い背徳感と共感の入り混じった緊張感を与えます。
【疑惑を抱く優等生】
学年トップの成績を誇り、洞察力に長けた女子生徒。周囲で発生する不可解な微小の違和感(物品の瞬間移動、天候や光のズレ)から、学園内に「異常な現象」が起きていることにいち早く感づき、主人公と息詰まる心理戦を展開します。
【学園の権力構造を握る同僚教師】
主人公を都合よく利用し、理不尽な業務を押し付けていた主任教師。裏では学園内の不正や生徒指導における重大な隠蔽工作に関わっており、主人公の能力行使の引き金となる因縁の相手です。