X(旧Twitter)やReddit、まとめサイトなどで数百万件のインプレッションを獲得し続ける「人間と同じ大きさのコウモリ」の画像。フィリピンの民家の軒先に黒い大型コウモリが逆さ吊りになっている構図で、すぐ横のワイヤーや背景の民家と比較すると、まるで身長160〜170cmの大人がぶら下がっているかのように見えます。
野生生物学者や画像解析の専門機関によるファクトチェックの結果、写真自体は合成やAI生成によるフェイクではなく本物のフィリピンオオコウモリを撮影したものであることが判明しています。しかし、「人間サイズである」という解釈は強制遠近法(Forced Perspective)が生んだ錯視です。
撮影者がコウモリの至近距離にカメラレンズを構え、遠景に背景の建物や人物を配置することで、手前の被写体が極端に巨大化して写り込みました。実際のフィリピンオオコウモリの頭胴長(頭からお尻までの長さ)は約30〜40cm程度です。広げた翼こそ1.7mに迫るものの、翼を折りたたんで木や軒先にぶら下がっている状態では大型の猫や小型犬程度の胴体サイズに過ぎません。
ネット上の反応を検証すると、「本当にこんな怪物が飛んでいるのか」「襲われたら骨まで砕かれそう」といった恐怖の声が先行していますが、実寸大の身体構造を知ることで、過剰な都市伝説と現実の境界を正しく見極めることができます。