外見の変化に関して、ファンやメディアが最もざわついたのがいわゆる「激やせ」現象です。特にミュージカル『ジキル&ハイド』や海外翻訳劇の舞台に立ち続けていた時期、鹿賀のフェイスラインは極限まで削ぎ落とされ、鋭利な印象を漂わせていました。
過去のロングインタビューや舞台関係者の証言を丹念に掘り起こすと、その裏には過酷極まりない舞台表現への向き合い方が見えてきます。鹿賀本人はかつて、身体のキレを維持するために食事管理を徹底し、糖質や脂質をコントロールしながら舞台稽古に臨んでいることを明かしていました。ミュージカルの舞台は、2時間から3時間にわたって全身で発声し、激しく動き回る極めてハードな有酸素運動の現場です。若い頃と同じ体重を維持したままでは膝や腰への負担が増大し、声帯のコントロールにも悪影響を及ぼします。
また、演じる役柄の精神的葛藤や狂気、孤独を肉体で表現するために、意図的に脂肪を削ぎ落として役になりきる「ストイックな役作り」を貫いていた側面も見逃せません。劇団四季時代から叩き込まれた「舞台俳優としての肉体管理」は妥協を許さず、観客に強い印象を与えるための研鑽が、皮肉にも一般的な視聴者の目には「病的なやせ細り」と誤認されてしまったのが事の実態です。