品川駅港南口を出て徒歩数分のロケーションにある四十八漁場品川店。周囲には数多くの海鮮居酒屋がひしめき合っているにもかかわらず、なぜこの店が際立った支持を集めているのでしょうか。その背景には、単なる「海鮮居酒屋」の枠組みに収まらない、明確な調達構造の革新があります。
同店を展開するのは、「塚田農場」などを手掛ける株式会社エーピーホールディングス。同社が一貫して追求してきたのは、一次産業の生産者と直結する「生販直結モデル」です。屋号にある「四十八(よんぱち)」は、2006年に米国の海洋学者らが英科学誌『サイエンス』に発表した「2048年には世界の水産資源が枯渇する恐れがある」という警告論文に由来しています。「魚の持続可能性を守りながら、日本各地の豊かな海の恵みを届ける」という骨太な理念が、仕入れ体制の根底に流れています。
現場取材で実感するのは、水揚げから店舗着までのスピード感と技術の高さです。船上や港での徹底した「神経締め」や血抜き処理、温度管理を施した鮮魚が産地直送で届けられます。一般的な中央卸売市場を経由する流通ルートでは出会えない、マイナーながら極上の旨味を持つ「未利用魚」を積極的に仕入れ、魅力的な料理へと昇華させている点も、知的好奇心の強いビジネス層の心を掴んで離さない大きな要因です。