仁摩サンドミュージアムの中枢であるピラミッド空間「タイムホール」を見上げると、頭上に鎮座するのが世界最大の砂時計「砂暦」です。高さ約5.2メートル、直径約1メートルの巨大なガラス容器の中に納められているのは、実に1トン(約1,000キログラム)もの微細な砂。この砂が、直径わずか0.84ミリメートルのノズルを通って、丸1年かけて下部へと落ちていきます。
毎年大晦日の夜には、年男・年女や公募で集まった参加者の手によって綱が引かれ、砂時計を180度回転させる大がかりな「反転行事」が執り行われます。一粒一粒が静かに、途切れることなく落ち続ける様は、慌ただしい日常から解き放たれるような独特の静けさと厳かな迫力に満ちています。
建築を手がけたのは、島根県出身の世界的な建築家・高松伸氏。総ガラス張りの幾何学的なピラミッドは、外から見ても青空や夕陽に映える壮大な景観美を誇り、館内には太陽の光が降り注ぎます。館内では砂の科学や性質を学べる展示に加え、美しい砂絵アートや砂の標本、さらにはガラス工芸体験なども用意されており、五感を使って「砂の神秘」に触れられる構成となっています。