花の前でピタッと静止(ホバリング)しながら長い口吻(こうふん)を伸ばして蜜を吸う姿は、鳥類のハチドリと見紛うほどです。しかし、ハチドリが生息しているのは南北アメリカ大陸であり、日本国内で見かけるものはすべて昆虫です。
日本で「ハチドリのような虫」として目撃される代表格が、チョウ目スズメガ科に属するオオスカシバとホウジャク(蜂雀)の仲間です。一般的な蛾は夜間に活動しますが、これらの種は昼行性で太陽の下を活発に飛び回ります。空中で静止しながら吸蜜するスタイルがハチドリと全く同じ進化を遂げた「収斂(しゅうれん)進化」の好例として、昆虫ファンからも親しまれています。