生理の血は時間の経過とともにヘモグロビン中の鉄分が酸化し、鮮やかな赤色から赤褐色、最終的には黒褐色へと変化して繊維に固着します。付着してからの時間に応じた適切な手順を踏むことで、繊維を傷めずに綺麗に除去できます。
1. 付着直後〜数時間以内の基本ステップ
汚れがついて間もない場合は、水洗いだけでも大部分を落とすことが可能です。
まず、流水(冷水)を衣類の裏側からあて、水圧で血液を押し出すように押し洗いします。表面から擦ってしまうと、汚れが繊維の隙間に押し込まれてしまうため避けてください。ある程度色が薄くなったら、市販の洗濯用液体洗剤または固形石鹸を直接塗り込み、優しくもみ洗いした後に通常の洗濯機コースで洗います。
2. 半日〜数日放置した頑固な血液シミ|セスキ炭酸ソーダの浸け置き術
外出先から帰宅した後や、翌朝になって気づいた乾いた汚れには、セスキ炭酸ソーダ(アルカリウォッシュ)を用いた浸け置き洗いが最も効果を発揮します。
洗面器に水または30℃以下のぬるま湯1リットルを張り、セスキ炭酸ソーダを小さじ1〜2杯(約5〜10g)溶かします。汚れた衣類を浸し、2時間から一晩(約8時間)放置します。セスキのアルカリ成分が固まったタンパク質と油分をゆっくりと分解・乳化させるため、時間を置くだけで水が薄っすら濁り、シミが浮き上がってきます。浸け置き後は軽くすすぎ、そのまま洗濯機に入れて通常通り洗うだけで綺麗に仕上がります。
3. 完全に乾いて変色したシミ|オキシクリーン(酸素系漂白剤)の温水浸け置き法
数日以上放置して完全に酸化し、茶色く変色してしまった頑固な汚れには、過炭酸ナトリウムを主成分とする酸素系漂白剤(オキシクリーンやワイドハイター粉末タイプ等)が有効です。
タンパク質が熱凝固しない限界温度である38℃〜40℃前後のぬるま湯を用意します。規定量の酸素系漂白剤をしっかり溶かし、泡立っている溶液の中に衣類を投入します。放置時間は30分〜最長2時間が目安です。過炭酸ナトリウムから発生する活性酸素が酸化したヘモグロビンの色素を直接分解し、同時に除菌・消臭も完了します。
4. 知る人ぞ知る裏ワザ|住宅用洗剤「マジックリン」の部分使い
家にある洗剤でどうしても落ちない場合の即効性の高い裏ワザとして知られているのが、油汚れ用洗剤である「花王 マジックリン(住宅用アルカリ洗剤)」のピンポイント使用です。
マジックリンは油分とタンパク質を強力に分解するアルカリ剤と界面活性剤を高濃度に含んでいます。シミの部分を水で濡らした後、スプレーをワンプッシュ直接吹きかけ、指先で優しく馴染ませて1〜2分放置します。その後、直ちに冷水で十分に洗い流してください。放置しすぎると色落ちや生地の傷みを招くリスクがあるため、デリケート素材やウール・シルクには使用せず、綿や化学繊維の衣類に限定して自己責任で素早く行うのが鉄則です。