Web小説投稿サイト「小説家になろう」から誕生した本作は、登場初期から異彩を放っていた。安易な救済や都合の良い展開を削ぎ落とし、過酷な運命に翻弄される人間模様を淡々と、しかして鮮烈に描写する七沢またりの筆致は、Web小説界におけるダークファンタジーの基準を塗り替えたといっても過言ではない。
従来のライトノベル市場では挑戦的とみなされがちだった重厚なトーンが、多くの読者に支持された事実は大きい。Web連載から文庫化、そして世界的な映像化へと至るその道筋は、ネット発の文学がどこまで到達できるかを示す象徴的な成功例となっている。