SNSや知恵袋、動画プラットフォームを分析すると、「政治家のルーツや帰化の噂」に関する投稿は特定の傾向を持って拡散されていることが分かります。敵対する政党や政治家を攻撃する際、政策への批判にとどまらず「あの政治家は〇〇人の血を引いている」「裏で外国勢力と通じている」といったラベリングを行うパターンが定型化しています。
社会心理学において、これは「外集団同質性バイアス」および「確証バイアス」が複合した現象と説明されます。自らの政治信条と合致しない政策を推進する政治家に対して、「日本人の国益を考えていない」という疑念を抱いたユーザーが、その疑念を正当化する情報としてネット上の「帰化人一覧」を無批判に受け入れ、拡散(インフォーメーション・カスケード)を引き起こす構造です。
「政治家の出自を暴く」という名目で発信されるコンテンツは、プラットフォーム上のアルゴリズムにおいて高いエンゲージメント(表示回数・リポスト数・コメント数)を獲得しやすいため、真偽を意図的に無視したアフィリエイト系まとめサイトや収益目的のインフルエンサーによって再生産され続けるというエコシステムも存在します。