陰部に痒みを感じた際、それが接触皮膚炎(かぶれ)やカンジダ症、あるいは毛じらみによるものかを峻別するには、システマチックなセルフチェックプロトコルが有効です。ネット上の体験談や医療相談掲示板でも、「ただのフケだと思い込んで数週間放置し、爆発的に増殖してしまった」という告白が散見されます。
成虫は皮膚の色や毛根付近に同化し、1mm前後の極小サイズであるため、動いていない状態を肉眼で発見するのは困難を極めます。そこで最も確実な診断指標となるのが、毛じらみの卵の見つけ方です。
ケジラミのメスは1頭あたり生涯で約30〜50個の卵を産み落とします。卵は長径約0.8mmの乳白色から光沢のある灰白色の楕円形をしており、陰毛の根本から数ミリ〜数センチの幹部分にセメント様の強固な分泌液で固着しています。通常のフケや皮脂の塊、トイレットペーパーの繊維との決定的な毛じらみの見分け方は、「指先でつまんで引っ張ったときの抵抗感」にあります。フケや垢であれば毛をすべらせるだけで簡単に脱落しますが、ケジラミの卵は強固に接着しているため、爪を立てて強くしごかなければ除去できません。
セルフチェックを行う際は、スマートフォンのLEDライトで斜めから照射し、拡大鏡やカメラのマクロ撮影機能を用いて毛の根元を観察するのが実践的です。また、アンダーヘアのみならず、肛門周囲、下腹部の産毛、大腿部の体毛、胸毛、男性の場合はすね毛や髭に至るまで寄生範囲が拡大していないか入念な確認が求められます。