深界六層における成れ果て村イルブルの崩壊とファプタの覚醒は、物語の大きな転換点となりました。ファプタが母イルミューイの願いを背負い、村の住人たちを解放(捕食・消滅)した結末は、「囚われの停滞」を破り「不可逆な前進」を選ぶという本作の一貫したテーマを象徴しています。
現在リコ一行が挑む深界七層「最果ての渦」では、白笛「神秘卿スラージョ」の呪詛船団(ヘイルヘックス)や「先導卿ワクナ」の動向が鍵を握ります。七層の渦は力場が複雑にねじれ、地上への通信はもちろん、一歩進むことすら魂の摩耗を強いる極限の領域です。
なお、前線基地(イドフロント)に残った黎明卿ボンドルドは、肉体を幾度となく乗り換えながら「深淵の観測」を継続しています。リコたちに敗北したものの、ボンドルドの目的は一貫して「アビスの夜明けを見届けること」であり、リコたちが深界の底へ到達すること自体が彼の知的好奇心を満たす結果となっています。今後、ボンドルドが開発した遺物技術が、遠隔でリコたちの窮地を救う、あるいはさらなる過酷な選択を迫る伏線として再浮上する可能性は非常に高いといえます。