赤髪を経験した後に多くの人が直面する最大の壁が、赤髪色落ち後の染め直しにおける色沈みや濁りの問題です。暖色系染料、特に赤とオレンジの色素は髪内部のケラチンタンパク質と強固に結びつく性質があり、見た目には色が落ちているように見えても「隠れ残留色素」として留まり続けます。
次回の施術で引き続き暖色系(ピンク、ワインレッド、オレンジベージュ)を重ねる場合は、この残留色素がベースの下地としてプラスに働き、より深みとツヤのある発色が可能になります。このケースでは、アルカリ度の低い微アルカリカラーや弱酸性トナーを用いることで、ダメージをほぼゼロに抑えながらリフレッシュが完了します。
問題は、赤髪から一転して「アッシュグレー」「オリーブベージュ」「ミルクティーベージュ」などの寒色・中性色へ移行したい場合です。赤の補色は「緑(マット)」であるため、残留した赤みを打ち消すためには補色理論に基づいた高度な薬剤調合が求められます。セルフカラーで市販のアッシュ系染料を重ねると、残留した赤と混ざり合ってくすんだ泥水のようなカーキ色になり、修復不可能なムラを引き起こします。
寒色系へ戻す場合は、必ずサロンで「脱染剤(ライトナー)」を用いて残留した人工色素のみを穏やかに分解・除去するか、2〜3回に分けて段階的にベージュ系を重ねていくプランを組むのがプロフェッショナルの鉄則です。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
赤髪は正しく付き合えば肌を白く輝かせ、洗練された個性を引き出す最高のカラーリングです。しかし、そのメンテナンス性の特殊さゆえに、ライフスタイルによって向き・不向きがはっきりと分かれます。
【赤髪を心からおすすめできる人】
- 毎日の丁寧なヘアドライ、ぬるま湯洗髪、定期的なカラーシャンプーの習慣化を厭わない人
- 抜けていく過程の「ピンク」や「コーラル」を含めて、色のグラデーション変化を楽しめる人
- 今後2〜3回にわたり、暖色系カラーを継続して楽しむ計画がある人
【慎重に検討すべき・おすすめできない人】
- 就職活動や実習、校則などで、1ヶ月以内に黒髪や暗髪アッシュへ急遽戻さなければならない人
- 日頃から自然乾燥が日常化しており、ホームケアに時間を割く余裕がない人
- 普段のファッションやメイクが青み・クール系中心で、髪色のオレンジ味とトータルコーディネートの衝突を避けたい人