名前に「バナナ」と付くことから、かつて輸入果物のコンテナに紛れ込んで日本へ運ばれた事例がバナナの害虫混入ニュースとしてセンセーショナルに報じられた歴史があります。農園のパッキング時に葉や果実の隙間へ潜り込んだ個体が海を渡ったケースですが、近年の植物検疫と輸入管理技術の高度化により、現代のスーパーに並ぶバナナから発見される確率は天文学的に低い水準に抑えられています。
多くの人が懸念する「毒性」については、毒針や毒腺は一切保有しておらず、人間を能動的に噛みつくこともありません。体表に病原菌を媒介するリスクも野外生息種のため極めて低く、衛生面での危険性は一般的なカブトムシやセミと同等です。
ただし、本種を扱う上で最大の注意点となるのが「非常に軽快に飛ぶ」という運動性能です。暗闇で照明をつけると光に向かって羽ばたく強い走光性を持ち、一般的な家屋性ゴキブリのような這い回る動きではなく、蛾や小型の甲虫のように空間を直線的に飛び回ります。とはいえ、高温多湿な熱帯雨林に特化した生理機能を持つため、日本の乾燥した室内環境に逃げ出したとしても自然に繁殖・定着することはできません。