ビジネスの現場において、サイレントマジョリティーは企業の命運を左右する極めてシビアな存在です。
米国の顧客サービス調査機関TARPOが提唱した「グッドマンの法則」によれば、商品やサービスに強い不満を覚えた顧客のうち、企業に直接クレームを申し立てる人はわずか4%程度にとどまります。残りの約96%の顧客は一言も苦情を言わず、二度とその商品を買わなくなる「サイレント離脱」を選びます。
カスタマーサポート部門に届く問い合わせやSNS上のネガティブなつぶやきは、氷山の一角に過ぎません。クレーム窓口に激しい意見が届いた際、その1件の背後には「同じストレスを感じながら無言で立ち去った数十倍の顧客」が存在することを認識しなければ、真の課題解決には至りません。
ECサイトのレビュー機能でも同様の傾向が見られます。購入者の大半は評価を書き込むことなく満足または妥協して利用を続けていますが、極端に感動した層と極端に憤慨した層のみがテキストを投稿します。マーケティング担当者が追うべき指標は、表面化したわずかなレビューの平均点だけではなく、リピート購入率や解約率といった「行動で示された沈黙のデータ」にあります。