多くのトレーニーが疑問に抱く「体脂肪率5パーセントの維持は可能なのか」という問いに対し、生物学的な答えは「長期間の維持は極めて危険であり、実質的に不可能に近い」となります。
人間の身体にはホメオスタシス(生体内恒常性)が備わっており、体脂肪が過度に減ると、満腹ホルモンであるレプチンが激減し、食欲増進ホルモンのグレリンが大量に分泌されます。これにより、四六時中食べ物のことしか考えられなくなる強烈な精神的飢餓状態に陥ります。
競技を終えたボディビルダーであっても、大会翌日からは「リバースダイエット」と呼ばれる計画的な増量プロセスを踏み、徐々にカロリーを戻しながら体脂肪率を9〜12%の健康的な水準へと回復させます。極限のコンディションは、あくまで特定の日に向けて作り上げる「一瞬の芸術」であり、日常生活を送るための基準値ではないことを認識する必要があります。