雪村いづみさんの人生を語る上で欠かせないのが、波乱万丈な私生活と一人娘である朝比奈マリアさんとの絆です。雪村さんは過去に2度の結婚を経験しています。
1度目は1961年、ジャズドラマーの原田寛治さんと結婚するも、多忙な芸能生活のすれ違いから程なくして離婚。その後、アメリカへ活動拠点を広げた雪村さんは、米国人男性のジャック・セラー氏と再婚し、1962年に長女のマリアさんを出産しました。しかし、異国での結婚生活も永続はせず、再びシングルマザーとして娘を連れて日本へ帰国するという重い決断を下しています。
父不在の中で育てられた朝比奈マリアさんは、抜群のスタイルとエキゾチックな美貌で1970年代後半にモデル・歌手として華々しく芸能界デビューを果たしました。当時、世間からは「大スター雪村いづみの七光り」と揶揄されることもあり、多感な時期には母娘の間で激しい衝突や葛藤があったと、後の手記や対談で述懐されています。
その後、マリアさんは画家やジュエリーデザイナーなどアートの道へと進出。結婚を経て子供を授かり、雪村さんにとっては最愛の孫が誕生しました。おばあちゃんとなった雪村さんは、若い頃に多忙で娘に注ぎきれなかった時間を埋めるかのように孫を溺愛したといいます。かつての母娘の軋轢は年月とともに解きほぐされ、今では最も信頼できる人生のパートナーとして、互いの生活を支え合う円熟した関係性を築いています。