モータースポーツを取り巻くメディア環境の劇的な変化も、日本人ドライバーへの注目度を底上げしている。その最大の起爆剤となったのが、Netflixのドキュメンタリーシリーズ『Formula 1: 栄光のグランプリ』だ。華やかなサーキットの裏側で繰り広げられる政治劇、首脳陣の怒号、ドライバーたちの剥き出しの葛藤を描いたこの番組は、従来のレースファン以外の層を一気にパドックへと引き込んだ。
日本国内の視聴スタイルも多層化している。スマートフォンやタブレットで手軽にオンボード映像や詳細なテレメトリーデータを追えるDAZNは、若年層やライト層の日常にF1を浸透させた。一方で、長年のファンはフジテレビNEXTの熟練した解説陣による深い技術分析と臨場感あふれる実況中継を支持し続けている。
情報がリアルタイムで世界中を駆け巡る時代だからこそ、ドライバーの一挙手一投足、無線での叫び声ひとつがSNSを通じて即座に拡散され、世界的な評価を左右する。現代のF1ドライバーは、アスリートであると同時に巨大なインフルエンサーとしての役割も背負っているのだ。