ネット上の掲示板やSNSでは、「逆ルッキズムなんてただの自意識過剰」「持てる者の戯言」と切り捨てる声が散見されます。しかし、キャリア相談窓口や現場のヒアリング調査を辿ると、本人の意志とは無関係に貼られるレッテルに苦しむ切実な実情が見えてきます。
都内のITコンサルティング企業に勤務する20代女性は、自らの体験を絞り出すように語りました。「大型案件のコンペを徹夜で勝ち取った翌日、社内で聞こえてきたのは『クライアントの役員が男性だったから、顔で気に入られたんだろう』という陰口でした。どんなに資格を取り、実績を積んでも、努力のすべてが『容姿のおかげ』として処理されてしまう虚しさは言葉になりません」。
また、お笑いコンビ・EXITの兼近大樹氏は、自身のメディア出演や自著の中で、外見とメンタルの相関について極めて鋭い指摘を残しています。「美人でも自分に自信がない人は大勢いるし、容姿の美しさと本人の自己肯定感は直結しないという研究データがあるのが興味深い」と語るように、恵まれた外見を持つ本人が、内面では劣等感に苛まれているケースは珍しくありません。
長年男性の魅力を分析してきたイケメン評論家の沖直実氏も、「外見は一番外側の内面であり、知性や優しさが滲み出るギャップこそが重要。昨今はイケメンの定義そのものが細分化しており、単なる顔立ちだけでは通用しない時代になった」と現場の変容を語っています。表面的な美醜だけで人間性を決めつける行為は、美男美女にとっても深刻な人格侵害となっているのです。