保護者が知能指数に触れる際、必ず知っておかなければならない統計の基本が「小学生IQ平均値と目安」です。近代的な知能検査(ウェクスラー式など)におけるIQは、同年齢集団の中でどの位置にいるかを示す相対的な順位(偏差商)を意味します。
平均値は「100」に固定されており、全体の約68.26%の子どもが「IQ85〜115」の標準範囲内に収まります。「IQ70〜84」は境界知能(ボーダーライン)と呼ばれ、「IQ70未満」は知的障害のスクリーニング基準の一つとされます。一方で、ネット上では日常的に見かける「IQ130以上」という数字は、統計学上、全体のわずか約2.2%しか存在しない極めて稀少な領域です。
ここで多くの保護者が強い関心を寄せるのが「ギフテッド診断小学生基準」です。メディアで天才児特集が組まれるたびに「うちの子もギフテッドではないか」と調べる保護者が増えていますが、日本の医学界において「ギフテッド」は公式な精神科診断名ではありません。小児精神科を受診しても「ギフテッド病」といった診断書が発行されることはなく、あくまで一部の自治体や教育プログラムが「WISC等の全検査IQ130以上」を目安の目安として準用しているのが実情です。
文部科学省の有識者会議(特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する指導・支援)でも、IQの数値のみで子どもを選別・ラベリングすることを固く戒めています。高い認知能力を持つ子どもほど、特定の刺激に過敏であったり(感覚過敏)、知的能力に対して情緒の発達が追いつかない「非同期発達」に苦しんだりするケースが少なくありません。ギフテッド傾向とは単なる秀才のことではなく、特異な生きづらさと背中合わせの認知特性なのです。
また、上位2%の知能指数を持つ者のみが入会できる国際組織「メンサ(JAPAN MENSA)」への憧れから、小学生の入会を希望する保護者も目立ちます。しかし、「メンサ小学生入会条件」において、ネットの無料診断結果は何の効力も持ちません。メンサ公式が実施する入会テストは15歳以上を対象としており、小学生を含む15歳未満が入会申請を行う場合は、医療機関や心理相談室で受検した正式な知能検査(WISC-IVやWISC-Vなど)の証明書(医師や心理士の署名・捺印入り)を提出し、IQ130以上(標準偏差15の場合)を証明することが厳格に義務付けられています。