ダイエット中や体型管理を意識する読者にとって、最も切実な問いが「ラクトアイスとアイスミルク、結局どちらが太りやすいのか」という点でしょう。名前に「ラクト(ラテン語で乳)」と付き、牛乳分が少なそうなラクトアイスは、一見すると「さっぱりしていて低カロリー」と誤解されがちです。しかし、実際の栄養成分表示を見ると、驚くべき逆転現象が起きています。
結論から申し上げると、同じ容量であればラクトアイスの方が太りやすい傾向にあります。その決定的な理由は、油脂の添加量と糖分の比率にあります。
アイスミルクは牛乳本来の乳脂肪分が3.0%以上含まれているため、乳由来の自然なコクと甘みがあります。一方でラクトアイスは、わずか3.0%の乳固形分しか持たないため、そのままでは水っぽく味気ない氷の塊になってしまいます。そこでメーカーは、乳脂肪に匹敵するリッチなコクとクリーミーな舌触りを擬似的に再現するため、大量の植物性油脂と水あめ・ブドウ糖果糖液糖などの糖類を乳化させて投入します。
植物性油脂は純粋な油分(1gあたり約9kcal)であるため、コクを出そうと配合比率を上げるほど製品全体の脂質濃度が跳ね上がります。一般的なアイスミルクが1個あたり150〜200kcal、脂質7〜10g前後で推移するのに対し、ラクトアイスは小ぶりなものでも200kcal超、ボリュームのあるタイプでは350kcal超・脂質20g以上に達するものも珍しくありません。
さらに、消化吸収のスピードという生化学的側面からも違いが生じます。植物性精製油脂と単糖類が組み合わさったラクトアイスは、食後の血糖値を急激に上昇(血糖値スパイク)させやすく、過剰なインスリン分泌を誘発して体脂肪の蓄積を促進します。「あっさりした口当たりだから太らないだろう」という思い込みこそが、カロリー過多を招く最大の心理的トラップと言えます。