おならの異常は生活習慣だけでなく、消化器系の疾患が原因となって現れるケースも珍しくありません。特に若年層から中年層に多く見られるのが、過敏性腸症候群(IBS)ガス型です。大腸内視鏡検査を行っても粘膜に炎症や腫瘍などの異常は見当たらないものの、自律神経の不調や腸の知覚過敏により、わずかなガスでも強い腹部膨満感や腹痛を感じ、無意識のうちにガスが漏れ出たり排気衝動が抑えられなくなったりします。「おならが出たらどうしよう」という不安そのものが腸の緊張を招き、さらなるガスを呼び寄せる悪循環に陥りやすいのが特徴です。
さらに警戒すべきは、大腸がんの初期症状としてのおならの変化です。大腸、特にS状結腸や直腸など肛門に近い部位に腫瘍ができると、腸の内腔が狭くなって便やガスの通過が妨げられます。狭窄した部位の手前で便が長く滞留することで異常発酵が進み、普段とは異なる生臭い腐敗臭を放つガスが頻発するようになります。
厚生労働省の人口動態統計および日本消化器病学会の報告においても、大腸がんは早期発見によって90%以上の確率で治癒が望める疾患とされています。単なる体質と思い込まず、次のような自覚症状の組み合わせに注意を払うことが生死を分けます。