コンビニやディスカウントストアにおいて、180ml詰めの鬼ころしは定価100円〜130円前後、特売時には100円を切る価格で販売されています。缶コーヒーやペットボトルのお茶と変わらない価格設定に対して、「工業用アルコールで薄めているのではないか」「何か危険な原料が入っているのでは」と勘ぐってしまう声も少なくありません。しかし、この低価格には極めて合理的な醸造・流通ロジックが存在します。
安さの第1の理由は、普通酒規格における効率的な原材料構成です。特定名称酒(純米大吟醸や吟醸酒など)のように米を40〜50%以上も削り落とす精米工程を行わず、食用米に近い精米歩合(70〜75%程度)に抑えることで原料ロスを最小限にとどめています。さらに、発酵後に適量の醸造用アルコールや糖類、酸味料を絶妙なバランスで調合する伝統的な普通酒製法により、限られた米の量から安定した酒質とすっきりした口当たりを大量に生み出しています。
第2の理由は、パッケージングと物流コストの大幅な圧縮です。ガラス瓶は容器自体のコストが高く、重量があり割れやすいため輸送運賃や保管コストがかさみます。対してブリックパック(紙パック)は軽量で容積効率が極めて高く、遮光性に優れているため紫外線による品質劣化も防げます。最新鋭の無菌充填ラインで毎分数百本単位の超高速パッキングを行うことで、製造単価を極限まで押し下げることに成功しているのです。