初心者によくある最大の落とし穴が「室内や夜間でのフラッシュ不使用」だ。人間の目は室内の電球や街灯の明かりを勝手に明るく補正してしまうが、固定露出のレンズ付フィルムにとっては真っ暗闇と同等である。「室内に入ったら昼間でも即座にフラッシュスイッチを入れる」。この鉄則を守るだけで、暗ボケや真っ黒な失敗写真は激減する。
ただし、フラッシュの到達距離には物理的な限界がある。有効範囲はおよそ1メートルから3メートル程度。遠くの夜景や広い会場で焚いても光は届かず、手前の人物だけが白飛びして背景が闇に沈む結果となる。人物を主役にするなら、被写体との距離を2メートル前後保ちつつ、背景に適度な街灯や店舗の明かりが入り込む位置取りを意識したい。人工光とフラッシュのブレンドこそが、あのアナログ感あふれる独特の「エモさ」を生み出す鍵だ。