月の裏側が見えない理由とは?潮汐固定の仕組みと探査機が暴いた真実

月の裏側が見えない理由とは?潮汐固定の仕組みと探査機が暴いた真実

月の裏側が見えない理由とは?潮汐固定の仕組みと探査機が暴いた真実について分かりやすく解説いたします。詳細な分析をチェックしてください。

月の潮汐固定を語る上で欠かせないもう一つの決定的な要因が、月の質量重心の偏りです。外見上、月はほぼ球体に見えますが、内部の密度分布は均一ではありません。

アポロ計画の地震計データや、近年の月周回衛星「かぐや(SELENE)」およびNASAの重力観測探査機「GRAIL」による詳細な重力場マップの解析により、月の幾何学的な中心(幾何中心)に対して、質量的な中心(重心)が地球の方向へ約1.9〜2キロメートルほど偏心して偏っていることが判明しています。

これは、底に重りが仕込まれた「起き上がり小法師(おきあがりこぼし)」や、振り子の構造に極めて似ています。重い部分が地球の強い重力に引っ張られるため、質量の偏った面が地球側を向いた状態で重力的な「底」にはまり込み、姿勢が完全にロックされてしまいました。月の内部構造そのものが、地球に裏側を見せないよう物理的に固定される設計になっていたといえます。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。