植物の土が白くなっているのを発見した際、直ちに殺菌剤を散布するのは早計です。ネット上の相談掲示板でも頻繁に混乱が見られますが、実は土の表面が白くなる真相と見分け方を正しく把握している愛好家は多くありません。
土の上に現れる白い物質には、大きく分けて「本物の真菌(白カビ)」と、水分蒸発に伴って析出した「塩類集積(ミネラル結晶)」の2パターンが存在します。この両者を混同して誤った処置を施すと、植物に不要な薬害ダメージを与える結果になりかねません。
判別の決定的なポイントは、その「立体感」「手触り」、そして「臭気」です。
白カビの場合、胞子から伸びた菌糸が空気中に向かって立体的に立ち上がり、まるでティッシュを細かくちぎったようなふわふわとした綿毛状、あるいはクモの巣のような繊維構造を作ります。また、鉢の周辺に鼻を近づけると、湿った地下室や雨上がりの森のような特有のカビ臭(土臭い不快な臭気)が漂います。
一方、塩類集積は水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分、あるいは追肥として与えた液体肥料・化成肥料の成分が、土の表面から水分が蒸発する際に濃縮されて結晶化した現象です。見た目は粉末状やジャリジャリとした塩のような粒子、もしくは土の表面を薄い膜のように覆う硬い結晶となり、綿毛のような毛羽立ちや不快な異臭は一切ありません。爪楊枝や割り箸で突いてみて、カサカサと崩れる砂粒状であれば塩類集積であり、胞子による健康被害の心配はありません。