ネットや週刊誌で定期的に浮上する矢沢永吉と桑田佳祐の不仲説ですが、結論から言えば、2人の間に個人的な確執や対立があった事実はありません。それにもかかわらず「共演NG」と噂されてきた最大の要因は、両者が歩んできた音楽キャリアの性質と、所属するプロダクション・レーベルのプロモーション戦略の違いにあります。
矢沢永吉は1970年代初頭に伝説のバンド「CAROL(キャロル)」を率いてデビューし、解散後はソロアーティストとして独立独歩の道を切り拓きました。一方の桑田佳祐は1978年にサザンオールスターズのリーダーとしてビクターから鮮烈なデビューを果たし、ポップスとロックを融合させた独自のスタイルで大衆音楽の頂点へと駆け上がりました。
硬派でストイックなロックンロールを貫く矢沢と、ユーモアと哀愁を自在に行き来する桑田。表現スタイルの対比があまりにも鮮やかだったため、大衆は「太陽と月」「情熱と洒脱」といった二項対立のドラマを勝手に投影し、それがいつしか噂の真相として「犬猿の仲」というイメージにすり替わっていった背景があります。