春一番が演じ続けたものまねは、パロディの域を超えて本家・アントニオ猪木さん本人にも深く認知されていました。猪木さんは生前、春一番の芸を公認し、時に厳しく体調を気遣いながらも、自身の分身のように温かく見守っていました。
2014年に春一番が急逝した際、猪木さんは所属事務所を通じて次のような追悼コメントを発表し、世間の涙を誘いました。
「送る言葉に『元気ですかー!』は似合わないが、本当に私のものまねを通じて世の中に元気を届けてくれた。感謝の言葉とともに、安らかに眠ってほしい」
また、師匠の片岡鶴太郎さんは「不器用だが憎めない、愛すべき弟子だった」と涙ながらに語り、ビートたけしさんや多くの後輩芸人たちも、彼の早すぎる旅立ちを惜しみました。芸のために身体を擦り減らし、不器用なまでに真っ直ぐ生きた春一番の姿は、多くの表現者たちの胸に強烈な美学として焼き付いています。