今シーズンの球界を見渡したとき、最大の衝撃は戦力ヒエラルキーの激しいシャッフルにある。日本野球機構(NPB)では、長年盤石とされてきた伝統球団が思わぬ苦戦を強いられる一方、ファーム組織の抜本的改革とデータドリブンな選手育成へ舵を切った新興チームが上位へ躍進した。単なる勝率の比較ではなく、得失点差の期待値や投打の基礎指標を精緻に積み上げた戦力ランキングにおいて、この勢力図の反転は必然の結果として現れている。
一方、メジャーリーグベースボール(MLB)に目を移すと、莫大な総年俸を投じたメガクラブが必ずしもトップを独占しているわけではない。セイバーメトリクスの進化により、守備シフト制限後のスペース創出率や、投手の球速帯・回転軸が生み出す空振り奪取期待値が再定義された。その結果、限られたリソースで高効率なロースターを構築した球団が戦力ランキングの上位に食い込み、リーグ全体のパワーバランスを揺るがしている。